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クラシック音楽を愉しむ

作曲家や曲の紹介、ピアノ奏法の分析等。時代やジャンルにとらわれず、多様な作曲家や音楽を聴き、弾き、語ります。より多くの人に、より多くの作品と作曲家を広める事を目的として綴ります。

スタンチンスキー 人物と作品

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早速ですが少しマイナーな作曲家に言及します。

アレクセイ・スタンチンスキーという、1888年生まれ、ロシアの作曲家です。

夭折の作曲家というのでしょうか。26歳という若さで亡くなっています。

 父親の急死がきっかけで精神病にかかります。精神的に非常に不安定になる事があったそうです。 1914年の秋に溺死しているところを発見されます。自殺か事故か、はっきりしないそうですが、前記の事もあり前者の方が有力な説のようです。

精神病を患っていた作曲家というと、有名なところではシューマンマーラーあたりでしょうか。

特にシューマンの場合は精神病を逆手にとったような作品もありますが、スタンチンスキーの場合は精神的に落ち着いている時に作曲していたため、露骨に作品に現れる事はありません。

 

作品のほとんどがピアノ曲

作品の数は少なめですが、独特な雰囲気といい、一度作品に目を通してみる価値は十分にあると思います。

初期ではスクリャービンメトネル、フェインベルク等に似た半音的な和声、複雑なリズム、そしてロシアらしいロマンチックな旋律が特徴ですが、後期では民族風な音楽に影響を受け、全音的な音楽を作るようになります。

初期はスクリャービンの影響、後期はムソルグスキーの影響と言われています。

 

主に前奏曲のような小規模な作品を中心として作曲していますが、今回はやや大規模な作品を記事にしようと思います。

今回ご紹介する作品は  ピアノ・ソナタ 変ホ短調 (1905年) です。

 

Glinka/Stanchinsky

Glinka/Stanchinsky

 

やや雑というか少し荒い演奏ですが、スピード感が良く聴きやすい録音です。

ピアノ作品以外については、おそらく唯一の録音。

入手性に若干の難ありですが、他で聞けない曲も入っているので買って損する事は無いと思います。

 

ピアノ・ソナタ 変ホ短調は、17歳の時に作曲されました。YouTubeに動画があったので紹介しておきます。


Alexei Stanchinsky - Piano Sonata in E-flat minor

年の割に非常に大人びた音楽です。

この変ホ短調という調は、もっとも陰鬱な調の一つで、シューマンは神秘的な恐怖と表現しています。

冒頭の崩れ落ちるような前奏が終了し、5小節目に入ると印象的な旋律が現れます。

非常な悲しみに満ちたような旋律で、時折希望の光が見えますが、その希望はすぐにかききえてしまいます。

この旋律が、楽曲全体の印象を作り出していると言っても過言ではないでしょう。

特に中間部など、明るくなる場面もありますが、それでもやはり崩れ落ち、それを何度も繰り返しつつ音楽が進行します。

最後は前奏でも現れた下降音型を伴い力強く終止します。

 

このCDに入っているピアノ三重奏曲や練習曲ト短調も良い曲ですので、ソナタが気に入った人は買ってみる価値があると思います。

いずれ機会があれば他の作品も紹介しようと思っています。