読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

クラシック音楽を愉しむ

作曲家や曲の紹介、ピアノ奏法の分析等。時代やジャンルにとらわれず、多様な作曲家や音楽を聴き、弾き、語ります。より多くの人に、より多くの作品と作曲家を広める事を目的として綴ります。

アルカン 人物と作品

フランスの作曲家、シャルル・ヴァランタン・アルカンを紹介します。

1813年生まれ、ロマン派の作曲家です。 

ややマイナーですが最近は知られ始めているので、知っている方も多いと思います。

ブゾーニショパンシューマン、リスト、ブラームスに並んで最も重要な作曲家として挙げていて、よくアルカンの作品を取り上げていました。誰もが耳にしたことのある名前だろう、とまで言っています。

3,40年ほど前から評価されはじめ、20年前くらいからは比較的有名になってきています。 

リストやショパンのような今知られている作曲家と交流があり、リストからは、誰よりも優れた演奏技術を持っていると絶賛されました。

本名はシャルル・ヴァランタン・モランジュですが、父親のアルカン・モランジュから名乗っています。自身の兄弟も全員音楽科で、同様にアルカンと名乗っていました。

極めて演奏難易度が高く、演奏不可能なのでは、と思ってしまう作品も多々あります。

代表作は大ソナタ op.33、練習曲op.35とop.39あたりでしょう。有名な作品のほとんどが練習曲の物です。

日本では鉄道 op.27が有名ですが、海外では日本ほど知られていません。

 

続きにて詳しく解説します。

 

6歳でパリ音楽院に入学し、周囲からは神童と言われていました。

14歳の時に発表した作品がop.1のシュタイベルトの主題にくよる変奏曲で、これは彼がピアノを師事していたピーエル・ジメルマンに献呈されています。

この頃に室内楽のトリオを結成し、そのトリオのチェロ奏者がショパンの親友(オーギュスト・フランコム)だったため、その繋がりでショパンと知り合ったと言われています。

20歳を越えると、教育者として活動を始め、同時に演奏活動も活発になります。

ショパンとの共演や、リストやタールベルクのライバルと称されるなど、今マイナーなのが不思議なくらいの経歴を持ちます。

しかしそのすぐ後からから演奏活動をしなくなり、作曲等に専念しはじめます。

そして1842年、ショパンが隣に引越して来て、隣人になります。それもあってか、ショパンとは仲がよかったようでショパンの死後、弟子を引き取っています。

1844年、31歳ほどの頃から再び演奏活動を始めます。

1848年、パリ音楽院ピアノ科長の有力候補であったにもかかわらず、内務大臣の決定によりその座をマルモンテルに奪われてしまいます。

更に直後に親友であったショパンの死など不幸が連続し、精神的に深いダメージを負います。

結果として、この後25年もの間、ほとんど活動をしなくなってしまいます。

この頃は自宅にとじこもり、旧約聖書新約聖書を原語からフランス語に翻訳させたり、タルムードの研究に没頭したりと、宗教的な活動を多くしています。タルムードとは、ユダヤ教聖典の事です。

この聖書は現在残っていません。

 

1873年から1877年まで演奏会に復帰し、年に6回小コンサートを開くようになります。

 自身の作品の他、バッハ、シューマンショパン等の好みの作曲家の作品を取り上げていました。

 

これ以降11年の間はほとんど記録が残っていません。

 

今回紹介するのは3作品。

一つ目は独奏ピアノのための交響曲、二つ目は独奏ピアノのための協奏曲。

そして最後に夜想曲 ロ長調 op.22です。

前者二曲は、彼の特徴である極めて高度な演奏技巧、交響的な音使いが如実に表われています。

そして夜想曲では、それらの技巧によって音楽性が犠牲にはなっていないという事が分かります。

www.youtube.com

www.youtube.com

www.youtube.com

 

先の2曲は、難しすぎて演奏出来ない人がほとんどと思いますが、夜想曲はそれほど難しくもないので一度楽譜を探してみてはどうでしょう。

美しく、技巧的にもそれほど難しくなく、それでいてちょっとマイナー。

個人的には、こういう曲が弾けるような人に憧れます。

 

CDはやはりアムランの物がお勧めでしょうか。

 

 

Concerto for Solo Piano Op 39

Concerto for Solo Piano Op 39

 

 

Symphony for Solo Piano

Symphony for Solo Piano

 

 

他の録音では、はっきり言って弾けてない物が多いです。

解釈も嫌味が無く、極端に感情的でもないので、嫌いという人はあまりいないと思います。

とことん感情的な演奏しかうけつけない人には合わないかもしれません。

それでも一番安定している演奏なので、私はこの録音を一番にお勧めします。

 

夜想曲の録音ですが、Brillantclassicsから出ているPiano Worksをお勧めします。

ALCAN/ PIANO WORKS

ALCAN/ PIANO WORKS

 

 3枚組みで2000円と安く、演奏も安定しています。 

1,2枚目はアラン・ヴァイス、3枚目はスタンリー・ホッホランドの演奏です。

夜想曲は1枚目に収録されています。

このCDは、3枚目の録音で使用されているピアノが1858年のプレイエルで、ちょうどアルカンが使っていたピアノと同じ時代の物になります。

ハンマーがフェルトではなく皮革だったり、そもそもアクションの構造が違ったりと結構大きな違いがあり、音もやはり現代のピアノとは違い、とても楽しめます。

また、先程は紹介しなかった大ソナタも収録されていたりと、ボリュームもそこそこあります。

 

追記:

完全に失念していました、森下唯さんのCDを紹介します。コメントしてくれた方、ありがとうございます。

彼は、アルカン ピアノ・コレクション1と2の2枚CDを録音しています。

アルカン ピアノ・コレクション1《交響曲》

アルカン ピアノ・コレクション1《交響曲》

  • アーティスト: 森下唯,シャルル=ヴァランタン・アルカン,Charles-Valentin Alkan,Yui Morishita
  • 出版社/メーカー: ALM RECORDS
  • 発売日: 2015/10/07
  • メディア: CD
  • この商品を含むブログを見る
 

 

アルカン ピアノ・コレクション2《協奏曲》

アルカン ピアノ・コレクション2《協奏曲》

 

1はソナチネ、独奏の交響曲と、op.50の2曲、夜想曲スケルツォ・フォコーソが収録されています。

2は独奏の協奏曲の他、2曲のバレエ音楽と鉄道、欲望が収録されています。

私はこの内、1のCDをお勧めします。

個人的に、協奏曲や交響曲はアムランの方が良いと思いますが、記事で書いた夜想曲については最も良い演奏だと思っています。

記事にはしていませんが、スケルツォ・フォコーソの演奏も素晴しいです。

 

 

記事は以上となります。

長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。